第3巻：おまる幻想
（第68章〜第95章）

第75章　三つの勤務

【内容】　職業的女主人からの手紙に記された奴隷の果たすべき三つの勤務を論ず
(第71〜75章は汚物愛好(ピカチズム)がテーマ)
 75-1

『手帖』のキャプション
「あと、舐めてもいいわよ」　(一七一〇年ごろのフランス銅版画)(原題は「脱毛(エピラチオン)」で、ルイ十四世朝の貴婦人が局部の化粧兼衛生処置を係の医者にさせているところであるが、体の大きさを変えてあるので、縮小ヤプーを使用しているイース・レディーのようにも味わえよう。彼女らが下級者に羞恥心を持たなかったことは、第七八章参照)
。


↓75-1の大判画像です






  75-2

『手帖』のキャプション
「私の美酒(ゼクト)をお前に恵んでやる……」　(連作マゾフォトの一枚)


↓75-2の大判画像です



『奇譚クラブ』1954年9月号「ある夢想家の手帖から」挿絵



本章が述べる「女主人の手紙に記された３つの勤務」とは
(1)奴隷勤務
(2)痰壺、尿瓶(しびん)、虎子(おまる)など、排泄物の容器となる勤務
(3)舐め勤務。特にクニスリングス

「自分が命令されたことはどんな恥ずかしいことでも躊躇なく成し遂げるように」
について、沼は

第一の奴隷勤務で「どんな恥ずかしいことでも」と訳した箇所は、直訳では、恥知らずの(schamlos)命令となる。別に破廉恥な悪事をさせるというのではなく、命令者が奴隷に対して女としての恥じらいを感じないことを意味する。入浴や上厠(じょうし)の際に自分の手を使わず奴隷の手を使って体を清めたりすることを指すのである。

と記しています。
女主人が入浴なさる時にお体を洗って差し上げたり、上厠に侍って清拭させていただいたり、させていただきたいものでございます。





  75-3

『手帖』のキャプション
女男爵(バロネス)モニク・ファン・クレフ」　史上最高のプロ・ドミナとして定評がある。オランダに生まれ、米国に渡り、マゾ男を責めることで巨万の財産を作って後、故国に隠棲(いんせい)した。これは、全盛時代(起訴される前)ニューアークの館(やかた)の拷問室で身構えたところ。当時三十代後期だったが二十代にしか見えなかったという。



モニク・ファン・クレフ特集






モニクの著書
"Padrona senza pieta (無慈悲なミストレス)"		 モニクの自叙伝
"The House of Pain (苦痛の館)"




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