Ｓ女子大秘話
作・たぬべえ
９
東京に帰った。
その間、あちこちからメールが来ていた。
勝部桜子、南響子、富山益恵、日立浪江、あの合コンに誘った女たちが「会いたい」と言って来た。
何があったんだろう。

まず、桜子とカフェバーで会った。
桜子は、あのチビチンコの古谷と付き合い始めているらしい。

「俊之に聞いたんだけどさ」
「俊之？」
「古谷俊之、私の彼」
桜子が強く言った。
「彼？　奴隷じゃないんだ」
「奴隷じゃない。彼」
「そ、そうなんだ」

「で、玲子、俊之のチンコの写真持ってるんだって」
「うん。持ってるよ」
「消してくれないかな」
「どういうことよ」
「彼のチンコの写真を他の女が持ってるの、許せると思う」
「えーっ、だって、これは私のコレクションよ」
「消して！　お願い！」
桜子の口調が強い。

「わ、わかった」
携帯に保存してある古谷のチンコの画像を消した。
「あんたさ、いい趣味じゃないよ」
桜子が言った。
「大きなお世話よ」
と言ったが、考えてみれば、いい趣味ではないのも確かだ。

家に帰った。
コレクションと言ったが、50本もない。
見てたら、気分が悪くなった。

そう言えば、幸太郎のチンコの写真を撮るのを忘れていた。
お馬さんごっこのあと、オナニーするところは見たのに。
「写真撮らせて」と言うのを忘れていた。

浪江はＧ大の谷原と付き合っている。
「付き合っているったって、主従関係よ」
浪江が言った。
「あんたもＳ女だっけ」
「なんかさ、桜子やあんた見てたらね。
でも、勉もＭじゃないし。遠からず別れると思うけれど」

「で、用は何？」
「勉に聞いたんだけれどさ、あの合コンに、牛尾って奴、来てたでしょう」
聞きたくない名前だ。
あいつに、あのあと襲われて、コンビニで会ったおじさんに助けられたんだ。
あのおじさんにはお礼が言いたい。もう一度会いたい。

「牛尾、痴漢で捕まったって」
「マジ？」
「しかも女装して電車に乗って、男のチンコしごいたって」
「何それ？」
「わかんないよ」
「わかんないの？」

「勉の話だと、あの合コンの夜から、変わったって」
「そ、そうなんだ」
一体何があったのか。

「あと、益江と高田君はうまくいっているみたい」
「そうなんだ」
「でも、うまくいっているっていっても、益江は家を継がなきゃいけないのよね」
「そうなんだ」
「一波乱ありそう」

益江とは時間が合わず会えなかった。
会ったら高田弘二とののろけ話を聞かされるんだろう。

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