東京・池袋の女性上位系カミングアウトサロン「ユリイカ」。 去年２月には、１７周年記念グッズとして「人間馬」をテーマとするＴシャツや各種グッズを限定販売したことは、「お知らせ」コーナーでもお伝えしました通りでございます。 それら記念グッズ用に「人間馬を駆って戦うミストレス軍団」の漫画作品を描き下ろしたのが、漫画家の新井英樹さんでした。 新井さんがＳＭ関係の漫画作品に取り組んでいるらしい・・・というお話は聞いておりましたが、この度、ついに発表されましたですぢゃ〜〜！ 「月刊コミックビーム」６月号(5/12発売)に第一話掲載の『SPUNK―スパンク―』という作品でございます。 主人公・栗田夏菜(かな)の行動や発想は、新井さんと愚仙人共通の知り合いである、とあるＳ女様を彷彿させるものがありましてな。恐らくは、彼女がモデルなんぢゃなかろうか・・・と憶測する次第。 それが、彼女が私たちに語ってきた事実そっくりそのままではなく、カリカチュアライズと申しますか、多少脚色されておるようなのですが、それによって却って彼女らしさが活き活きと表現されているように感じられました。 「事実と虚構との微妙な境界に芸術の真実がある」といわれているそうですが、それが解かる気がいたしました。何となくだけど。 愚仙人、新井先生を「ユリイカ」で何度かお見かけしておりまして。 今回のように、新連載ともなればその絵が表紙と巻頭カラーを飾る、超売れっ子作家ですから、さぞご多忙だろうに、大丈夫か？　なんて余計な心配をしましたが、心配ご無用。実は「ユリイカ」通いこそが大事なお仕事だったようです。 と申しますか、どうも仕事のため、取材のためというよりも、やっぱり「ユリイカ」が好きだから通われ、その結果が作品として結実した・・・という感じじゃないでしょうか。いってみれば、「ユリイカ」で吸った空気が、脳内で昇華されて作品に吹き込まれているような。 女性上位のＳＭという「けったいな世界」を、ちょいと覗いて描いてみました、というんじゃなくて、長期間どっぷりとハマっていらっしゃる様子に、「けったいな世界」の住人としては好感が持てます。 そんな「異世界」の実情を、普通の世界(?)の人たちに知って欲しいとか、解って欲しいなんて、ちっとも思わないけれど、興味本位でちょちょいと調べたようなことをネタに、さも分かった風に頓珍漢なことが描かれていたりすると、「しょうがないなあ」とは思う。別に腹は立たないが、ちょいと軽蔑するね。 その点、『SPUNK―スパンク―』は、作者が真面目に取り組んでいる上、参謀として「ユリイカ」の鏡ゆみこさんがついているので、鬼に金棒ですね。 第１話の内容は、主人公・夏菜が女王様になる直前まで。 夏菜さんがＳ女として目覚めるきっかけが、あるヤクザとの出会いだったといいます。 そのヤクザ、子分らの筆頭という大幹部ながら、実はマゾだったのです。 そういえば、愚仙人、紋々いれた精悍なヤクザが、Ｓ女様に調教されてＭに目覚め、彼女の番犬として足許に侍る・・・という妄想が好物でしてな。

まあ、愚仙人の妄想はともかく、新連載の『SPUNK―スパンク―』。つづきが楽しみですぢゃ！

back to MAIN MENU(Nihongo)

back to MAIN MENU(English)