犬の幸福 Happiness is....
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イース女性の脚を舐める畜人犬 Yapp Dog Licking the legs of a EHS Lady

『家畜人ヤプー』が描く、二千年後の未来世界、白人女性が支配する宇宙帝国イース（EHS,The Empire of Hundred Suns) 。そこでは、日本人の末裔が家畜化され、様々な用途に使役されています。     イースの大貴族、侯爵嗣女ポーリーン・ジャンセンの運転するタイムマシーンが遊航中、現代の地球、ドイツの山中に不時着。婚約者のドイツ人女性クララ・フォン・コトヴィツ嬢とともにそのマシンに乗ってしまった瀬部麟一郎は、ポーリーンに飼われる畜人犬（ヤップ・ドッグ）ニューマに噛まれ、神経毒を注入されて、全身が麻痺します。 　 その麟一郎君の目に映じた、畜人犬の姿とは・・・

「その犬――これが犬といえるならだ――は、人間――これが人間といえるならだ――であった。 　四肢と躯幹（くかん）と頭部の釣合に、一見犬を連想させるものがあるのは確かだ。金属製の首輪を光らせ、後肢を踏んばって頭をもたげた姿態は大型種の犬を思わせた。しかしその印象は細部によって裏切られる。後肢は前肢とあまり変わらぬほど細く短くなっていて直立歩行に適しなくなっているが、明らかに人間の両脚の退化したものとわかる。前肢にも退化した五指を備えた掌部（てのひら）があり、脚部が短く、一見、四足獣らしい安定感と四這姿勢ながら獣らしい敏捷さがあるが、もともとは人間の四肢なのだ。躯幹はほっそりとして贅肉がなく、腹部など極端に細く引き締まって、グレイハウンドの警戒さがある。頭部のほかはほとんど被毛のない、浅黒く日焼けした黄色の体、その背中には獣の爪にでもむしられたような傷痕や、鞭跡の条痕（みみずばれ）が残っていて、激しい使役と調教を雄弁に物語る・・・」（角川文庫版『家畜人ヤプー』P41-42）

ニューマは短脚ヤプーから作られた畜人犬です。 　ヤプー畜種学の進歩によってニューマのような畜人犬が作り出されるまでには、原ヤプー（現代人と全く同じ姿をしている）を鞭で仕込んで、犬代わりに愛玩・使役した時代があったに違いありません。 　ヤプーは家畜化によって次第に肉体を変容させていくのですが、その変化は、まず背骨の先端付近に現れました。サルへの先祖返りを起こして、尾てい骨の発達したものが現出したのです。 　初めは小指の先ほどの突起が尻の上に突き出ている程度でしたが、同じような形質を持つ雌雄のヤプーをつがわせるなど、畜種の試みの結果、次第に大きな腰部突起をもつヤプーが作られ、ついには立派な尻尾の「有尾ヤプー」が生まれました。 　この段階の畜人犬は、尻尾以外は原ヤプーと変わらぬ姿態です。しかし、その黄色い肌に刻まれた無残な傷痕や鞭跡が、白い女主人による激しい使役と調教ぶりを雄弁に物語っている点は、ポーリーンの愛犬ニューマと全く同じです。

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